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【最新版】ホリエモンが新型コロナウイルスについて4月末時点での状況を専門家に聞く(前編)

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その他, ホリエモンチャンネル, 堀江貴文

前回多くの反響があった「新型コロナウイルスについて専門家に質問しました」と題してYouTubeホリエモンチャンネルにて配信された動画。それから一ヶ月以上経過し、4月末現在での状況の変化などを新たにホリエモンが質問。

毎日刻々と変化し続ける新型コロナウイルス関連のニュース。今回も多くの人たちが持つ疑問をホリエモンが直接専門家に質問。前回同様動画の内容全てをテキストでご紹介。もちろん動画で見たい方はYouTubeで是非とも視聴していただきたい。

前回の動画はこちら→ 前編 後編

堀江貴文(以下、堀江) 先日はありがとうございました。動画大変評判良くて、みなさんが知りたかった事を先生が話してくれたということで、大変良かったと思いますので、またみなさんいろいろ不安に思っていたりとか、状況が変わって知りたいなというふうに思ったことがたくさんあるようなので、それを私が代わりにお話を聞きたいなと思っています。よろしくお願いします。

峰 宗太郎(以下、峰) はい、よろしくお願いいたします。

治療薬の最新の状況について

堀江 その後、多分たくさんの人たちを治療や検査をして新型コロナウイルスが持っている特徴などが前に比べると段々分かってきたと思うんですけど、まずは治療薬に関して。例えば日本だとアビガンがすごく取り沙汰されているんですけど、そういったところの最新の状況を教えていただけますか。

 主にアメリカで今注目されているのがレムデシビルという薬なんですけど、これはギリアド社というところが作っているエボラ用の治療薬として開発されたもので、要はウイルスが増えることを防ぐような薬なんですね。これに関しては臨床試験が進んでいまして、情報が漏れてきてはいるんですけど、まだ結果はしっかり出ていないという段階です。本当に正式な報告があるまではコントロール群との比較ができていないので、どのくらい効いたかっていうのは分からないんですね。コントロール群が無いものに関してはすでに論文が発表されていまして、軽快した方が多かったとは言われていますけど、本当に薬の成果かどうかはまだよく分からないというところですね。

堀江 こういう状況下で所謂プラセボ群というか、レムデシビルだったらそれを投与してない群との比較調査というのを倫理的にし難いんじゃないかと思うんですけど。

 はい、実際いろんな倫理的問題は生じているんですけど、やはりレムデシビルにしてもファビピラビル、所謂アビガンにしても本当に効くかどうか全くわからない仮説からですので、そこはしっかり検査をするという建前がありますから倫理的にはクリアされているとは思います。

堀江 ということは、割と重症化してる患者さんにもそういった治療薬を投与していない場合もあるということですかね。

 そうですね。薬が効くか逆に薬を使うせいで悪くなる可能性もあるわけですね。アメリカの大統領が一時期非常に推していたクロロキンとヒドロキシクロロキンですけども、これも臨床試験がなされてブラジルの試験では投与した方が多く亡くなってしまったので試験が中止になっています。そういう危険性もあるわけですね。

<ポイント>
・現在アメリカで注目されているのがレムデシビルという薬
・レムでシビルはエボラ用に開発された薬だがまだ臨床試験の段階で実際の効果はまだ分からない
・注目された薬でも臨床試験の結果試験中止になる場合もある

レムデシビルとアビガンはどの辺が違うのか?

堀江 レムデシビルとアビガンって似たような薬だと思うんですけど、どの辺が違うんですか

 基本的には作用する酵素は同じなんですね。RNAを増やす機能を持っている酵素を阻害する薬なんですけど、若干効くポイントが違っていて、レムデシビルというのは核酸が増幅していくのにソックリな形をしていてそこにはまり込んで増やさないようにする形なんですね。アビガンの方も全く同じようにはまり込むんですけど、そのチェーンが伸びるのを防ぐような薬でチェーンターミネーターと言われています。結局のところ核酸が伸びて複製されるのを止めるということでは同じことをします。

堀江 だからRNAが複製されるのを防ぐというところは同じなんだけど、多少その効き方が違うということですね。

 そういうことです。

<ポイント>
・レムデシビルとアビガンはRNAの複製を防ぐ点では同じだが効き方が多少違う

ウイルスを抑える薬以外に肺炎の症状を抑える薬はあるのか?

堀江 それ以外に役に立ちそうな薬ってあるんですか?例えば最近、僕もずっとニュースは追ってるんですけど、肺胞の表面に炎症が起きて、それで静脈が詰まることによって酸素が取り込みにくくなるだとか、いろんなお話を聞くんですけど、そういったところに作用する薬というのもあるんでしょうか?

 はい、ウイルスそのものをブロックする薬、所謂抗ウイルス薬ですね。こっちの探索が中心に進んできたんですけど、今は炎症を抑える方の薬ですとか今おっしゃったような血栓を抑えるような薬を投与すると、特に重症な人で予後が改善するのではないかというところには着目されています。例えば炎症性サイトカインと言われる炎症を引き起こす分子があるんですが、その中でインターロイキン-6というものが多く出ているという報告があれば、これを抑えるような薬を使った試験もされています。

堀江 ただまぁ今のところこれが決定版だ!みたいなことは無いような感じなんですよね。

 そうなんですよね。まだ決定版という薬は報告されていないですね。

堀江 ということはかかってしまって重症化してしまうと厳しい状況にあるというのは未だに変わっていない?

 変わっていないです。

<ポイント>
・これまでは抗ウイルス薬が中心だったが最近は肺炎の症状を抑える薬に着目されている
・決定版的な薬はまだ無く、重症化すると厳しい状況というのは未だに変わっていない

他国に比べて日本は死亡率が低いと言われるのは何故か?

堀江 日本人が特に気にしているところというのは、これまでの報道で例えばニューヨークやイタリア、スペインなどと比べると死亡率も死者の数も少ないというふうに言われていますが、これに関しても「なんでなんだ?」というお話は結構聞くんですけど、どうなんでしょう?

 これも本当にいろんな議論が行われているんですけど、答えから言うとまだ全く分かっていません。いろんな仮説があって、人の遺伝子が違う人種が違うといったことが影響しているのか。それからウイルスが変異したんじゃないのか。流行っているものが違うのではないかということから免疫状態が違う。つまりアジアの人たちはよく風邪をひいていてすでに旧型のコロナの抗体を持っているので新型のコロナにも強いんじゃないか。あとはBCGを打っているか否かとか。

あとは拡がり方に関しては習慣の差も結構言われています。マスクをしているかしていないか、握手やハグ、キスといった挨拶をしないだとか。あとは西洋の方々は土足で生活をする文化なので靴の裏についたウイルスが拡がったものがあるんじゃないかとか。いろんな説がありまして。それに加えて対策の差ですよね。日本や韓国はしっかりと接触者調査をしていっているのでその辺の差があるんじゃないかとも言われているんですけど、実は答えは全く分かっていないという状況です。

<ポイント>
・様々な仮説が存在するが、日本が死亡率が低いと言われる答えは全く分かっていない

アメリカ国内でも感染者数・死者数にかなり違いが出たのは何故か?

堀江 例えばアメリカの中でも違うわけじゃないですか。ニューヨークでは感染者数、死者数がものすごく増えたわけですけど、カリフォルニア州はそうでもなかったみたいな話もあるわけですよね。

 そうですね。そこに差はやはりいかに早く対策をして封じ込めをしたかという差もありますし、あとはニューヨークではクラスターが発生した場所が悪かったという点もあるようです。例えば高齢者の介護施設で発生してしまったりだとか、エッセンシャルワーカーと言われるお仕事を休めない方々のコミュニティで発生してしまったりだとか。そういったことは結構影響しているようですね。

堀江 なるほど。ニューヨークの場合はそういったことが起こってるわけですけど、感染者、死亡者が爆発的に増大するひとつの要因として感染症専門の医療施設の中で感染が拡大してしまうと。これに関しては素人考えでもウイルスが蔓延してるところにいけば、そりゃぁ感染しやすくなるよねという話は分かるんですけど、その辺はもう対策しようがないくらい広まってしまってるんでしょうか?

峰 ひとつはこのウイルスの特性があると思うんですね。軽症者や潜伏感染者に加えて不顕性感染と言いますけど、無症状の方がとても多いんですね。いろんな調査を見ていますと40%近くの人が全く症状がない状態なんですね。そういう状態で拡げてしまっているという現実があることと、そういう状態の方が別の病気で病院に運ばれてしまうわけです。そうすると全くコロナを疑っていなかったのに突然病棟内で看護師さんが感染して拡がってしまうということが実際に起っているようです。なので、ステルスみたいに不顕性感染で知らぬ間に病院の中にまでやってくるコロナ感染者というのが拡げてしまっているというのが結構あるようです。

堀江 それはやはり感染力が強いということの裏返しなわけですよね。

 そうですね。めちゃめちゃ強いというわけではなくインフルエンザよりやや強いくらいの感染力と、インフルエンザのようにしっかり症状が出ないというステルス的な性能がありまして、この組み合わせが非常にマズイですね。

堀江 コロナウイルスというのはそういう特徴をもともと持っていたんですかね?

 もともと風邪のウイルスであれば症状がダラダラ続いたり、出る人出ない人がいたりなんですけど、2003年に流行ったSARSの場合には関した人の殆どが重症化死亡だったんですね。なのですぐに封じ込めができたわけです。ですけど今回は風邪のコロナウイルスに近いかなという感じはしますよね。

堀江 実際、風邪のコロナウイルスでこういった重症な肺炎になることはあるんですか?

 ごく少数ですけどあり得ます。

堀江 なるほど。簡単に言うと普通の風邪のウイルスくらいの感染力があって、重症化しやすい感じに変異したという感じなんですかね。

 重症化の割合が風邪より多い。けれど、それが半端に多いので対策に苦戦するという厄介なウイルスですね。

<ポイント>
・いかに早く対策をし封じ込めをしたかによる差
・ニューヨークではクラスターの発生した場所が感染拡大に大きく影響している
・新型コロナウイルスは症状の無い不顕性感染が40%を占め、ステルスな特性が感染を拡大させている
・重症化の割合が多く対策に苦戦する

肺炎の自覚症状がないまま悪化していき重症化する特徴があるのか?

堀江 その辺が厄介さの特徴なんですね。最近のニュースは刻々と変わっているわけですけど、例えば無症状あるいは軽い症状なんだけれど血中の酸素飽和濃度はものすごく下がっていて本当に肺炎一歩手前みたいな状況になっているのにも関わらず、普通にスマホを触ってたみたいな。二酸化炭素はちゃんと排出できてるんだけど酸素は十分に取り込めてなくて実は肺がすごく無理をしていて、その後炎症が進んで重症化して死に至るみたいな話を聞いたんですけど、そういった特徴があるんでしょうか?

 それもあり得ると思います。自分で分かっている症状が比較的弱いけれども、多角的な所見として検査値が悪いといった状況があるという報告は結構出てきていて、これもしっかり調べなければいけないところですね。

堀江 これは厄介ですよね。その記事にはパルスオキシメーターっていう指先につけて酸素飽和濃度を調べるデバイスがあるんですけど、それを使った方がいいよってなんてことが書かれていたんですけど、その辺はかかった人は気になりますよね。

 ええ気になってくると思います。今回埼玉で突然重症化して亡くなってしまった方も出ましたよね。あれは多分自覚症状として最初は軽かったんですけど、きっと検査をすると異常が出ていたんじゃないかと。そういうことも考えられますね。

<ポイント>
・自覚症状は軽いが実は検査値が悪く急に重症化するといった報告は出てきている

最先端の情報は世界中の医師に共有されているのか?

堀江 そういった最先端の情報というのは、世界中で現場の医師には共有されているんですかね。

 基本的に情報発信はいろんなところがやっていまして、どんどんアップデートされる形でガイドラインが出たり、動画にしてくださる医療従事者の方も海外には多くいますので情報は比較的早く拡がっていますね。論文が出るペースもかなり早くなっていますので、そういったことから特徴はどんどん分かっていると言っていいですね。

<ポイント>
・情報は比較的早く拡がって共有され新型コロナウイルスの特徴はどんどん分かってきている

病院も通常の患者が来なくなり経営困難になっていることの対策は必要か?

堀江 私の周りに病院を経営している方が結構いまして、その辺の話を聞くと病院に人が来なくなったよと。逆にコロナの患者は来るんだけど、今すぐ処置をしなければ死んでしまうような患者以外は来なくなっちゃって開店休業状態で知り合いの病院はひとつの病院をコロナ専門に変えちゃったと言ってたりもするんですけど、そのような対策は必要と思いますか?

 受診抑制がひどくなってしまうと、もちろん病院経営もありますけど患者さん自体も危なくなることがありますので、そこは抑制がかからないようにしっかりやっていただきたいんですけど、やはり感染対策は非常に難しいところがありますのである程度診療する病院は分けたほうがいい。または大きい病院であれば病棟を分ける、フロアを分けるといった基本的な感染対策はかなりしっかりした方がいいと思いますね。

<ポイント>
・病院経営だけでなく治療面からも受診抑制がひどくならないようしっかりやって欲しい
・感染対策は難しいので病院、病棟を分けるなど基本的な感染対策はしっかりした方がいい

医師や看護師であれば感染症に対応できるのか?

堀江 僕は現場の医師ではないので分からないんですけど、医師や看護師といった医療従事者であればこういった感染症の事態にに対応できるものなんでしょうか?

峰 それはなかなか難しくて、もちろん基本的なトレーニングは受けているとは言え、こういうパンデミックになるような感染症というのをなかなか病棟でしかも集団で診るということはありませんし、防護具を使いますよね。PPE(personal protective equipment)と言いますけど、あれの着脱も普段訓練をしていない方にはやはり難しいことがあるんですね。特に脱ぐ時に自分を汚染してしまって自分が感染してしまうといった事はよく起こるわけです。これは結構慣れている方でないと難しくて。また病院の診療体制としても感染管理チームがしっかりあるか。感染管理ができる医師だけではなく看護師さんがいるかというのがキーポイントになってきますので、なかなか全ての病院で上手く対応しようというのは難しいところがあるかもしれませんね。

<ポイント>
・パンデミックになる感染症は普段なかなか起こるものではないので、医師や看護師であっても専門的なトレーニングをしていなければ難しい
・医師だけでなく看護師も含めた感染管理チームを持つことがポイントで、それを全ての病院で対応するのは難しい

現実的に医療リソースを増やす対策はあるのか?

堀江 そうなると現実的に医療リソースを増やす方法というのはあるんですかね。おそらくロックダウンとか自粛とかのキーポイントになっているのは医療崩壊が起きてしまうのを防ぐというところが一番大きいと思うんですけど、具体的に世界中の新型コロナウイルス対策をやっている国、病院といったところで医療リソースを増やす対策というのはあるんでしょうか?

 目立つのはニューヨークやロンドンがやっているような野営病院のような形でコロナ専門の施設を作ってしまって患者を集約してしまうというのが考えられますよね。今の東京がすぐに作れという状況かというと今はまだ大丈夫かもしれませんが、もし本当に感染爆発が起こってしまうと幾何級数的に増えるので、その時には遅いということになりますので、もし作るならば早くそういう病院を作るですとか施設を確保するといったことは重要かもしれませんね。

堀江 実際ニュースとして幕張メッセをコロナの収容施設に変えてしまおうみたいな話はあるらしいんですけど、そういった話になってくるわけですね。

 集中して管理した方がいいというのはひとつありますね。軽症だと本人が思っていても重症化するといったことが結構見られる病気なので、やはり家ではなくて施設で集中的に診るという方が安全といったことがあると思います。

堀江 例えば都内だったら都内のホテル。宿泊者が激減していて閑古鳥が鳴いているのでウチの施設を使ってくださいといった申し出は結構あって、実際軽症者はホテルに隔離するといったことはもう行われてるみたいなんですけど、こういったことも有効であるということですか

 そうですね。この病気でもうひとつ心配しなくてはならないのが、自宅隔離でまた拡がってしまうという現象がどこでもみられてるということなんですね。これは武漢でも言われていましたし、イタリアやニューヨークでもありましたし、現に今東京でも家族内感染がやや増えているという報告があります。そういうことから考えると本人の病状をしっかり追うためにもさらに感染を拡げないためにも、そういう施設を作っておくのはいいことだと思われますね。

堀江 家に居さえすれば大丈夫というわけではなくて、その中に感染者がいれば家族全員が感染者になってしまうといったリスクがまた顕在化してきているというような状況ですよね。

 そうですね。

<ポイント>
・新型コロナウイルス感染者専門の施設を作り集約させ管理することは有効
・自宅隔離での家族内感染が増加傾向にある

堀江 なるほど。ほんと今回、この動画もそうなんですけどSNS等で情報発信していても情報が正確に伝わっていなくて、これさえしていれば大丈夫だとか、あるいはちょっと過剰だなと思えるような事を いうふうな状況があるのでなかなか難しいとは思うんですけど、

 かなり難しい状況になっていまして、やはり感染症対策なので基本的な原理を押さえてそれぞれが考えていただければいいんですけど、なかなかしっかり線を引けないところもおおいですよね。いき過ぎたところまでやってしまうと経済が止まってしまいますし、メンタルにきてしまうこともあります。けれど緩くなってしまい過ぎると確かに感染が増えやすくなるというのも事実なので、このコントロールや匙加減というのは非常に難しいところですよね。