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【分かりやすい】YouTubeにてホリエモンが新型コロナウイルスについて専門家に質問(後編)

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前編に引き続き後編がYoutubeにアップされた。今回は主に感染症対策についての質問と回答になっている。実際に我々は何ができるのか、行政や国がこれからなにをすべきなのか、今回もホリエモンなるほど連発で質問を投げていく。

医療機関に大量に人が押し寄せることで医療崩壊してしまうリスクは高い?

堀江 インフルエンザウイルス並に感染しやすいということで、世界的にパンデミックになってしまっている状況で封じ込めは無理だというのは共通の認識だと思うんですけど、先程の人工呼吸器や人工肺の話を聞いていると、医療機関に大量に人が押し寄せて医療崩壊してしまうリスクは結構大きいですよね?

峰 そうですね。重症者が増えてしまうとキャパシティは一気になくなってしまいます。もちろんキャパがなくなってくれば自宅待機もできるようにと厚生労働省から通知も出てはいるんですけど、軽症な方も今のところ指定感染症なので原則入院なんですね。なので感染が拡がれば容易に医療のキャパはなくなりますね。

<ポイント>
・重症者が増えれば医療キャパは一気に超える
・日本では指定感染症なので軽症であっても原則入院
・急激に感染が拡がれば容易に医療崩壊は起きてしまう

なにが原因で感染力が強くなっているのか?

堀江 SARSと似ているというお話がありましたけど、SARSよりは感染力が強い。この感染力が強いというのは何が原因なんでしょうか?

 ひとつはウイルスそのものの特性で、我々が考える感染経路は2つあって飛沫感染と接触感染なんですね。飛沫に関してはとにかく飛沫に出やすい性質をウイルスが持っているかどうかが重要なんです。NEJM(『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』)という最も有名な医学雑誌にも出ていたんですが、今回のコロナウイルスは鼻水にウイルスがすごく多く出るんです。これはインフルエンザよりも遥かに多いので、くしゃみをすると鼻水って吹き飛ぶんですが、そこに含まれているウイルス数がそもそも多い。これは結構まずいことで、くしゃみやおしゃべりなど飛沫を飛ばすような事で容易にウイルスが空気中にばらまかれるんですね。これは感染力の強さになります。

もうひとつは、そうやって飛沫を飛ばすとそこら辺にくっついたり、触ったりすると手につくわけです。それでつり革を触るだとかドアノブを触る、ビュッフェ形式の食事でトングを掴む。そうやって今度は次の方がそれを触りその手で自分の鼻や口を触って感染すると。飛沫に出やすい性質がある上気道感染症のウイルスというのは感染力が強いことが多いです。

<ポイント>
・感染経路は「飛沫感染」「接触感染」の2つ
・新型コロナウイルスは鼻水に出やすい特性を持ち、これが感染力の強さの要因となっている
・含まれるウイルス数がそもそも多くくしゃみなどからの飛沫によって容易に空気中にばらまかれる
・ばらまかれたウイルスが共用する物に付きそこから接触感染する
・飛沫に出やすい性質を持つ上気道感染症ウイルスは感染力が強い事が多い

なぜウイルス感染は冬場に流行するのか?

堀江 なるほど。風邪やインフルエンザというのは季節性と言われていて冬場に結構感染して亡くなられる方が多いように思うんですけど、なんで冬場なんでしょうか?

 これ、本当に分かっていないんです。

堀江 分かっていないんだ。

峰 プロの間でも意見が分かれていて、ひとつはウイルス自体が確かに湿度が低いか高いかによって保存性が変わるということも言われているんですが、大事なのは乾燥すると喉の状態が良くなくなりますよね?なので、受け手の免疫の力が下がっているのではないかという話もあります。

堀江 なるほど。

峰 もうひとつ有力な説は、寒いとやはり室内でのイベントや生活が増えますよね。なので結局人間の行動が変わって流行りやすさが変わるのではないかという意見もあって。というのも東南アジアではインフルエンザというのは通年で流行っているんですね。夏でも。局地に近い半球だと冬に流行るのでやはり人間の行動なのかもしれないとは言われています。

堀江 でも東南アジアって室内の冷房が寒いですよね(笑)

 そうですね(笑)

堀江 僕はそこが結構原因なんじゃないかなと思うんですよね。

峰 うーん、可能性はありますね。

<ポイント>
・冬場に流行するかどうかは実ははっきり分かっていない
・冬場の免疫力の低下や人間の行動によって差が出ているのではないか?という説も

新型コロナウイルスの感染症対策はいつまで続くのか?

堀江 今後我々はどうすべきなんでしょうか。今、イタリアは移動禁止みたいになってるし、アメリカはヨーロッパからの渡航を30日間停止するだとか日本でもイベントの自粛要請がきたりしてますよね。我々一般の人からすると経済が止まっているダメージというのは結構大きくて、特にエンターテイメント系の人たちは完全に困っているんです。例えばイベント中止になって1000万近い借金を背負った人もいますし、飲食店も急激に閑古鳥が鳴いていて、観光地のインバウンドでもってたようなところはバタバタと倒産しているような状況なんです。日本政府が自粛要請を一週間延期したりこういう状況がいつまで続くのかというがみなさんすごく気になっていると思うんですけど、その辺りの見解を教えていただけますか。

 今、日本政府が専門家会議のアドバイスを受けてやっているのが、ピークを抑えるという方法なんですね。感染のピークがあまりにも急激に上がってしまうと医療キャパシティを超えてしまうので。結局のところ一番の目標というのが死亡率を下げる事になるわけですよね。

堀江 そうですね。

 死亡率というのは致死率とは違うわけです。致死率というのはかかった人のうち何人亡くなったかなんですけど、死亡率というのは分母の部分が人口全体になります。なので社会としてどれだけ人を死なさないかということを目標とするなら、医療のキャパを保ったまま少しでも流行を遅らせることによってちゃんと治療をして救おうという戦略なんですね。

堀江 はい。

 ピークが潰れると基本的にはクラスターの発生などの数も下げる事になるんですけど、急激に上がっていたものを伸ばすと後ろがダラダラ長くなっちゃうんです。なので対策をすればするほどいつ終息するのか分からなくなる。そもそも終息の定義がしにくくなってくるという現象が出てくるんですね。

実は比較するならばSARSではなく2009年の新型インフルエンザだろうというところがありまして。どういうことかというと2003年のSARSは中国内で収まって完全終息したんです。もう症例がゼロになりました。ですが2009年の新型インフルエンザの場合はピークを抑えたらダラダラ続いて、実はその流行というのが今も続いています。

堀江 そうですよね。だから我々は新型インフルエンザのワクチンを打ってるということですよね。

峰 そうです。今回もそれに近いシナリオが一番考えられますので、終息というのはウイルス学的に抑え込んだとか症例が無くなったという臨床的なことよりは、社会がどれだけこれを受容したかという事と、治療法が開発されたりワクチンが出てきて恐れるに足りなくなったという2つが考えられますね。

堀江 あぁ、なるほどなるほど。

 そうすると社会が受容するのが先なのか、ワクチンだと多分半年以上。治療法だと今月多くの試験の結果が出てくると思いますけど、そういうことで報道などが落ち着いてきた時に初めて終息になっていくのかなと思いますね。

堀江 だから、治療法が割と先に出てくる。その後ワクチンが開発される。その間くらいで社会が受容するという話になってくるんでしょうかね。

 そうですね。そう予想しています。

堀江 結局社会が落ち着かないとダメだってことですよね。

 そういう事になりますね。

堀江 今マスコミが結構騒いでるじゃないですか。マスコミは構造的に危機を煽れば煽るほど人々の恐怖心がまして視聴率や部数が上がるから当面は、まぁ煽りますよね。それは経済を回している側からするとすごく憂慮すべき事態ですよね。

 ですね。

堀江 それは分かりました。つまりその辺の比較論でいうとインフルエンザというのはもう完全に社会に受け入れられているっていうことですもんね。

 そういうことです。

堀江 だって毎年何千人が亡くなっても許容しているわけですもんね。つまり季節性インフルエンザの社会的許容と

峰 初期の想定では完全封じ込めたSARSを狙ったわけですよね。しかしパンデミックになってしまった。まぁパンデミックというのはただの状況評価なんですけど、ここまで世界に拡がってしまって症例数ゼロまで持っていくというシナリオはやはりちょっと考え難いですよね。なので現実論としてはどこかの政治で各国ごとに終結宣言を出すか、WHOが出すか、もしくは2009年の時のようにダラダラとグダグダで終わっていくかと。

堀江 グダグダ(笑)新型インフルエンザの時ってどれくらいグダグダ続きましたっけ?

 あれはですね、国によっては1年以上続いて第二波になっちゃったところもあって。第二波というのは一度外に出たものがまた流入したり、症例が追えなくなっちゃたんですね。追えなくなると結局のところ市中感染だとかなんだとかいうのではなく、もう広くあるよねっていうような状況にまでなってしまって。

<ポイント>
・日本の感染症対策の一番の目標は「死亡率を下げること」(死亡率は人口に対する、致死率は感染者に対する死者の割合)
・ピークを抑え流行を遅らせることによって医療崩壊を防ぎ治療をして救おうという戦略
・ピークを抑えると必然的に後ろが長くなり、対策をすればするほどいつ終息するか分からなくなる現象が起こる
・参考にすべきは2003年のSARSではなく2009年の新型インフルエンザでその流行は現在も続いている。
・終息とは症例ゼロや科学的な抑え込みではなく、社会がどれだけ受容したかワクチンや治療法が開発されウイルスが恐れるに足らなくなったという2点が重要である。
・終息とは社会が落ち着くこと

新型インフルエンザと状況はあまり変わらないのに騒ぎ方が異常ではないのか?

堀江 2009年の時と一番状況が違う点は何かっていうと、僕はSNSがものすごく発達してみんながスマホを持ってSNSで情報発信してるみたいな時代になったじゃないですか。そういった社会的な状況もすごくあの時とは変わったと思うんですよね。それが今回の「騒動」?要は病気の話ではなく、社会的な話なんだと思うんですけど、僕からすると病気としては新型インフルエンザの時とそんなに大きく変わらないと思うんですよ。だけど騒ぎ方は桁違いですよね。

 そうですね。そもそもWHOも今回「インフォデミック」という言葉を使っていまして、情報が感染していると彼らはすごい強調していて、実はWHOはもう1月の時点で公式のCOVID-19のサイトを作っていたんですけど早々にデマを潰すようなページを作ったり、報道側に要請する情報をどんどん出したりとやはり新型インフルエンザウイルスの時とは全然状況が違いますね。

堀江 ああ、SNSとかスマホの発達によって全然状況が違ってるってことですね。情報の伝達の仕方が。

 そうですね。

<ポイント>
・WHOは今回の新型コロナウイルスで「インフォデミック」という表現をしている
・SNSやスマホの発達により2009年とは情報の伝達の仕方が全く変わっている

感染を防ぐためのガイドライン、線引きの目安はあるのか?

堀江 最後に僕らができる対策、あるいは日本だとものすごい自粛ムードが拡がって、謎に4月とか5月の沖縄のイベントとかが中止になったり、素人目に見ても意味がなさそうな中止自粛ムードが拡がっていて、さっきのインフォデミックじゃないですけど、よく分かっていない人がとにかく自粛をしなさいと。例えば僕が名古屋でやるイベントなんかも名古屋市にクレームがめちゃくちゃいっちゃって、会場を貸さないといった話になったりするわけじゃないですか。飲食店で少人数で食事といったことも自粛されてるわけですよ。それはちょっとおかしいんじゃない?というような事があるんですけど、ガイドラインとしてどのようなイベント差し控えるべきで、逆に言うとこれは大丈夫だみたいなところの線引がやはり欲しいんですよね。それを例えば政府とか行政とかに我々も提言していきたいなと思っているんですけど。その辺の目安的なものってあるんでしょうか?

 これは国の専門家会議が出している発表の中にヒントがありまして、まずはとにかく人が集まるということ。もうひとつは声を出したり歌ったりという飛沫を飛ばす環境にあるということ。もうひとつは換気が悪いということなんですね。基本的に人が集まると人と人との距離も狭くなりますのでこれも間接的にリスクになってるんですね。この3つを踏まえて考えると、例えば小さい会場を借りて換気の悪い場所、200人許容の場所に200人入るライブなんかは結構危険なわけですよ。でも満員電車に対してあまり危険だと言っていないのは中で歌っていなくて飛沫が飛んでいないからなんですね。そう考えると先程の3つが合わされば合わさるほどリスクが上がると考えられますので、そこを避けられればある程度は実施可能であると捉えていく方がいいと思うんです。例えば公演で散歩する遊ぶ、戦隊モノのショーを見るというのであれば換気はいいわけです。声援もしなければ飛沫も飛ばないわけです。

堀江 例えば東京ディズニーランドや宝塚が自粛するといったケースはどうでしょうか?

 ディズニーランドであれば皆さんがすれ違う程度であれば飛沫感染としては感染のリスクは非常に低いです。ただし接触感染はリスクが高い場所がある可能性あるんですね。例えばジェットコースターで手摺を持つ場所であったり共通で使うもの。ジムで感染が拡がったのはおそらくジムで使う機械を多くの人が触ったからで、そういったポイントに対して対策ができていれば決してリスクは高くはないと思います。

堀江 ですよね。例えばジェットコースターに乗る前に全員アルコール消毒をするだとか、手が直接触れる場所を消毒するといった対策をすればディズニーランドみたいなところは別に営業しててもいいってことですよね。

 可能性は高いですね。宝塚に関しても大声の声援が飛び交うということもなく、あそこは非常に落ち着いた場所ですから症状がある人が入ってこなければかなりリスクは低いと思います。だから症状のある方人をとにかく入れないことですよね。例えばくしゃみ咳が止まらない方だとか、入場する時に熱を測るだとか。そうすればかなりリスクは抑えられると思いますね。

堀江 ジムだったりライブハウスだったりそういうところはリスクは高いということですよね。

 そうですね。先程申し上げた3つのリスクとあとは接触感染のリスク。結局それの合わさり具合だということになりますので。

<ポイント>
・リスクを高める要素は3つ「人が集まる」「声を出す歌うといった飛沫を飛ばす環境」「換気が悪い」←飛沫の抑制
・それぞれポイントに対して対策ができていれば決してリスクは高くない
・飛沫の抑制と接触感染へのリスク対策

年齢的な要素は感染に関係しているのか?

堀江 感染には高齢者や子供など年齢的な要素も関連してくるんでしょうか?

 重症化には関連しているんですけど、感染のしやすさに関してはどの年代でもほぼ同じというレポートが出ています。なので行った後の話ですね。もし感染した後のリスクを考えれば高齢者は気をつけなきゃいけないんですけど、感染のしやすさという点では子供からお年寄りまでほぼ一緒と考えていいと思います。

<ポイント>
・感染自体に年齢は関係ない
・感染後のリスクを考えると高齢者は気をつけた方がいい

各国の渡航制限に意味はあるのか?

堀江 なるほど。非常にクリアになりました。パンデミックという全世界で感染が拡がっているという状況の中で、渡航制限をしている国があるじゃないですか。この渡航制限というのは意味があるんでしょうか?

 基本的に渡航制限に意味があるのかないのかというのはプロの間でも若干意見が分かれるところがありまして。武漢と湖北省をシャットダウンしたことによって中国の拡がりのピークは抑えられたという論文は多いんですね。ですけど各国の水際対策としての渡航制限というのはあくまで流入を抑えてピークを抑えるという効果しかない事は分かっているんです。完全にシャットアウトできるものではないので。そうすると先程のピークコントロールの話ですよね。医療のキャパシティがどうかと。そういう意味では流入を遅くすることで医療体制を整える暇がある国にとっては有効だと言えると思います。

堀江 なるほどなるほど。頑張れば人工呼吸器を増やせたりだとかそういう事ができる国、つまり先進国っていうことになりますね。

 そういうことになりますね。

堀江 でもアメリカは国内でもうかなり流行しているわけじゃないですか。なのにヨーロッパからの渡航を30日間停止するって言ってますけど、じゃああまり意味があるのかないのか分からないという感じなんですかね。

 科学的に意味があるかよりも、やはり医療のキャパを上げておくよという宣言にもなりますので、基本的にはそこに政治も入っていると思いますね。

<ポイント>
・渡航制限の意味に関してはプロの間でも意見は分かれる
・渡航制限によって流行を遅らせることで医療体制は整えられる
・医療体制の整備ができる国にとっては有効(先進国)

堀江 すごくクリアになりました。やはり社会的に許容されるかというのが終息に向けて重要なポイントなんだなと。今はやはり恐怖が先行しているというか、マスコミが国民を煽って怖いぞ怖いぞと言ってるので、結構過剰にみなさん反応して意味のない対策をしたりとかしているので、それは僕は良くないことだと思うのでその辺の啓蒙活動をやっていこうと思います。

僕の中でも今回先生のお陰で新型コロナウイルスに対する認識がすごくクリアになりました。非常に有意義だったと思います。ありがとうございました。

 ありがとうございます。