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【分かりやすい】YouTubeにてホリエモンが新型コロナウイルスについて専門家に質問(前編)

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ホリエモンが自身のYouTubeチャンネルで「新型コロナウイルスについて専門家に質問しました」と題して動画を配信した。

新型コロナウイルスに対して不要なデマが流れていること、そして自身が新型コロナウイルスに関しての感染症対策やウイルスの性質など理解したいということでアメリカ国立衛生研究所(NIH)、アレルギー感染症研究所博士研究員の峰宗太郎先生にオンラインでインタビューを実施。

コメント欄では「分かりやすい」「先生説明するのが上手い」「こういう動画が必要」など動画を見た視聴者から多くのコメントが寄せられている。

動画はホリエモンが「僕も新型コロナウイルスについてまだ知らないことがたくさんあるので、その辺をレクチャーしていただけたら」という前置きをした上で、聞きたいことを聞くという質問形式で進められる。非常にわかりやすく、そしてしっかりと踏み込んだ内容となっているので、今回は動画の内容全てをテキストでご紹介。もちろん動画で見たい方はYouTubeで是非とも視聴していただきたい。

新型コロナウイルスと既存のウイルスとの違いは?

堀江貴文(以下、堀江) 風邪の原因の10〜15%がコロナウイルスと言われていて、細菌性やウイルス性の風邪があってその中でも割と一般的な風邪のウイルスとされるコロナウイルスが今回変異をして新型コロナウイルスと呼ばれるものになったんですけど、どの辺が違うのかというのを簡単に説明していただけますか?」

峰 宗太郎(以下、峰)はい、堀江さんが今おっしゃったように、コロナウイルスというのは結構普通の風邪として知られているのが4種類あったんですね。それ以外に2種類もう少し重い病気を引き起こすものがありまして、ひとつがSARSコロナウイルス、もうひとつがMERSコロナウイルス。今まではこの6つのコロナウイルスが知られていました。今回の新型コロナウイルスは名前は正式にはSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)になったようにSARSに近い系統なんですね。つまり遺伝子の情報がよく似ている。

風邪のコロナウイルスとは遺伝子的な距離は結構離れていまして、まず表面に出ているタンパク質の種類がSARSによく似て人間の喉だとか肺に非常に親和性が高いんですね。なので細胞に入りやすい。それからビルレンス(病毒性)に関しても風邪は基本的に上気道だけで増えることが多く下気道つまり肺にはあまり入らないのですが、今回の新型コロナウイルスは肺の方ででも増殖をするということが分かっていまして、ウイルスそのものの毒性がやや高いというところに特徴があるように思います。

性質としてはSARSと風邪のウイルスの中間くらい。つまり拡がりやすさが風邪だとかインフルエンザに近く高いんですね。基本再生算数と我々は言いますけど。そういう意味ではSARSのように病毒性があり風邪のように拡がりやすいという中間的な位置づけができると思います。

堀江 なるほど。

<ポイント>
・風邪の原因のひとつであるコロナウイルスは一般的な風邪と知られるものが4種類

・重い症状を引き起こす「SARSコロナウイルス」「MERSコロナウイルス」2種類
・上記6種類に加えて今回新たに発生したのが新型コロナウイルス

・新型コロナウイルスはSARSに近い系統で「SARSコロナウイルス2」と呼ばれる
・新型コロナウイルスはSARSのように病毒性があり風邪のように拡がりやすいという中間的な位置づけ

子供があまり重症化しないのはなぜ?

堀江 例えば、インフルエンザだと子供とか高齢者が重症化しやすいというのがあると思うんですけど、新型コロナウイルスについては報道などを見ていると高齢者は重症化しやすいのに子供はあまり重症化しないというふうに感じるんですけど、そういうことはあり得るんですか?

 これはあり得ますね。実際いま堀江さんがおっしゃったように論文でも報告でも高齢者と基礎疾患のある方が重症化していますけど、子供はかなり感染はしているようなのですが、重症化はしていないんですね。

堀江 はい。

峰 この理由というのは今のところ全く分かっていないです。本当に全く分かっていないです。ウイルス学的にも違いがあるのかということも分からないですし、どういう原因で子供が軽い状況で済んでいるかということも分からないですね。

堀江 でも実際にこういう状況が発生していることは確かなんですね。

 そうですね。状態としては確かです。

堀江 先生の方でこれが原因なんじゃないかとか想像がつくところってありますか?

峰 ひとつは重症化した人が多いのが高齢者なんですね。なので免疫の状態が関係している可能性はあると思います。つまり子供のほうがかかりやすい病気もあれば大人のほうがかかりやすい病気も昔からあるわけで。それの一番大きい違いというのは免疫の違いなんですね。特に水疱瘡なんかは子供がかかると皮疹が出ますが、大人だと熱が出るなど症状は違う。あとりんご病などは子供はほっぺが赤くなるだけだけど、大人がかかると重症化して入院することもあります。大人と子供での体とウイルスの反応性の違いというところがあるので、やはり新型コロナウイルスに関しても免疫の反応の仕方が違う可能性はあるのかなと思っています。

堀江 だからその辺とかに治療薬や症状緩和の薬のヒントがあったりするんでしょうね。

峰 そうですね。出てくる可能性はありますね

<ポイント>
・子供が重症化しない理由は現在全く分かっていない
・昔から子供と大人で同じ感染症でも症状が異なるものはたくさんあり、その最も大きな違いは免疫の状態である
・体とウイルスの反応性の違いがあるので、新型コロナウイルスに関しても免疫の反応の違いという可能性はある

治療薬は作られている?

堀江 今はまだインフルエンザと違って治療薬やワクチンといったものは無いわけですけど、例えばSARSやMERSが流行ったときに治療薬というのは作らているんでしょうか?

 今回の新型コロナウイルスに対してたくさん治療薬の検査、試験が始まっています。これはゼロから作るのではなく、多くはスイッチと言って今まで開発されている薬の用途を変えて効くかどうかを試しているんです。SARSの時もそうだったんですけど、ウイルスというのは共通で持っている仕組みがあって自分自身を増やす部品が似ていたりするんですね。なのでHIVの薬などすでに開発されている薬が効くかというような試験はSARSの時もしていたんですね。候補薬が結構あったということ、ただSARSは2003年にかなり治まったので実は人体的な実験は症例が少なく出来ていなかった。ただしMERSの方は中東などで未だに症例が出ているような状況なので今までもそういった試験がされていたんです。なのでそこでも知られていた少し効果のあるような薬を今回は積極的に取り入れて。

堀江 なるほど。

峰 これはサイエンスの最先端なんですけど、今回の新型コロナウイルス自身を増やす部品であるタンパク質の形というのがすぐに決められたんですね。三次元の構造解析をしたんです。そうすると薬がどういうふうにその酵素に当てはまるかがかなり早い段階でコンピュータシミュレーションで分かりまして。実際にそのコンピュータシミュレーションで出てきた候補を試験官の中で実験をして、これが効きそうだという候補もすぐにリスト化されたんですね。これは中国の仕事が早かったです。なので、そういったものを使った臨床試験が中国でどんどん進んでいますので、スイッチするという意味では薬の検討は早く進んでいると思いますね。

堀江 なるほど。そういう事情なわけですね。だからインフルエンザワクチンが開発された頃よりは状況が違うということなんですかね。

 そうですね。ウイルス自体の情報、設計図であるゲノムを読み込む速度がこの10年でテクノロジーの進化によって、それこそ100倍、1000倍になってるわけです。尚且SARSと似ていたので。SARSの構造というのはいろいろな人が決めていたんですけど、コンピュータパワーも上がりシミュレーションの技術も上がっていますのですぐにそういった情報が出たんですね。そういう意味ではすごい進歩だと思います。

堀江 すごいですね。

<ポイント>
・ウイルスには共通の仕組みを持つので治療薬はゼロから作るのではなく、既存の薬の用途を変えて効くかどうか試している
・SARS、MERSで知られた効果のある薬を積極的に取り入れて試している
・テクノロジーの進化や過去の経験やデータがあり、薬の検討は早く進んでいる

重症化した患者を人工呼吸器などで救えると致死率は上がらないのでは?

堀江 別の観点から見たいと思うんですけど、致死率の話ってよく出るじゃないですか。武漢や湖北省、あのエリアはものすごく致死率が高いのに、中国全体で見ると致死率は高くないと。これは日本ではそんなに死者が増えていないという状況を考えると、重症化した患者さんを人工呼吸器だとかそういった物で救えると割と致死率は上がらないんじゃないのか?と思えるんですけど、どうなんでしょうか?

 私自身が治療する医師ではないので又聞きだったり情報を集めているんですけど、重症化した場合でも行える肺炎に対する治療は支持療法と言って支える力なんですね。基本的に呼吸が苦しくなった場合はまず酸素投与。それが無理であれば陽圧をかけて肺を膨らませる。それから気管挿管をして人工呼吸器。それでも効かない場合は体外肺といって人工肺ですね。肺の呼吸器を機械に置き換えるECMO(体外式膜型人工肺)というものを使いますけど、そういったものをどこまで活用できるかというのは医療機関や国によって差があると思います。

日本の場合でもECMOを使える病院はもちろんたくさん普段はあるんですけど、感染症という状況でこのECMOを回せる医師や看護師という人材と機械、感染症対応のICUの部屋などリソースを考えると武漢という大都市といえども決してそれは多くなかったと考えられます。

堀江 日本全体でどれくらいそれに対応できる病院ってあるんですか?

峰 数としては私も正確には分からないですが、都内でもECMOをすぐに回せた病院は聞いたところだと大学病院で2,3個です。

堀江 2,3個。

 はい、ECMOまでいっぺんにいけた病院はそれくらいです。もちろん各医療機関ですぐに対応できるようキャパシティを上げるための努力はするんですけど、一生一石に人が増えるわけではありません。

堀江 例えばインフルエンザでも肺炎になったりしますよね?

 します。

堀江 インフルエンザ肺炎で肺が機能しなくなったということで、そういった人工肺を使うことってこれまでもあったんですか?

 もちろんかなりの重症になった方で適応となったことはあります。ただこのECMOの適応というのはすごく難しくて、なんとか人工呼吸器までで頑張ろうとすることが多いわけです。本当の最重症の方に使うものですから、そういう方が同時に多発すると医療のキャパは一気に超えると。武漢などではやはりそういう状況があったのではないかということは想像できますよね。

<ポイント>
・ECMOを回せるリソースは限られており感染症という状況で武漢などでも重症者が多発し医療のキャパを超えてしまったという状況があったのではないかと考えられる。

インフルエンザではどういう状況で亡くなっているのか

堀江 素朴な疑問なんですけど、インフルエンザで亡くなる方は毎年多いじゃないですか。それはどういう状況で亡くられているんでしょうか。

峰 やはりインフルエンザで亡くなる方は高齢者が多いんです。基本高齢者は余力と言って体に残っている力が少ないので、肺炎になってしまうと若い人であれば人工呼吸にいかなくてもというところが、一気に人工呼吸器に入ってしまって。で、人工呼吸器というのはあくまで一過性で呼吸を助けてるだけなので自分の体が改善してくれなきゃいけないわけです。ところが高齢者だと改善せずにそのまま人工呼吸依存になってしまい、二次感染を起こして亡くなってしまったり。

堀江 二次感染というのは

峰 他の菌が入ってしまうわけです。人工呼吸器を使うと外から無理やり空気を押し込んでいるので、バイ菌も押し込まれるんですね。そうすると肺炎が被さってしまいインフルエンザ肺炎に加えて細菌性肺炎も起こすことがよくあるんです。それだとか全身の状態が悪くなると人工呼吸器があると食事ができないので点滴だけになる。そうすると全身の免疫状態が一気に悪くなってしまうので、全身感染症を起こしたり多臓器が不全になったりボロボロになってしまうわけです。

堀江 なるほどそういう状況というのが結構な数で毎年生じてるわけですね。

 そうですね。特に高齢の方にはよく生じています。

堀江 結局今回新型コロナウイルスで亡くなられている状況にすごく似ているということですよね。

 そうですね。コロナウイルスは若干数が多い割合がと思っていただければいいのかなと。

堀江 つまりインフルエンザよりは割合が多いんじゃないかと。

 そうですね。今のところ。

堀江 そういう状況になりやすいから医療崩壊を起こしやすいということですかね。

峰 今回の場合、インフルエンザと同じくらいの感染力があると考えられるので、尚且おそらく重症化率がインフルエンザよりもわずかに高いので同じくらい拡がっていまうと重症者数も上がってしまうので医療のキャパシティに影響を与えかねないという問題が出てきますね。

<ポイント>
・高齢者は若者と比べ病気に対する余力が少ない
・肺炎をきっかけに二次感染や多臓器不全などのリスクが高まる
・インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスも重症化で亡くなる状況は似ている
・インフルエンザと比べると新型コロナウイルスは重症化率がわずかに高い

完治した人が再感染するというのは本当か?

堀江 これは本当か嘘か分からないんですが、新型コロナウイルスにかかった人が完治して検査をしても陰性になったのに、また新たに再感染してしまうという話があるのですがこの信憑性についてはどう考えますか?

 再感染というよりは再燃というのを疑っています。再感染というのは一度体から完全にウイルスが消えてしまった後にまた違った人からウイルスが飛んできて感染してしまう。そういう状況ですよね。そうではなくて一度体の中で免疫によってウイルス量がかなり減って症状も消えると。その時にPCRなりの検査をするとウイルス量が少ないので検知されない、つまり偽陰性になる。ところが後から少なくなっていたウイルスが再度増え始めて再燃すると。そういうケースは起こり得ると思います。これは風邪のぶり返しとかでもありますし、胃腸炎などでも二峰性といって1回目に大きい症状が出てちょっと治まっていたのがまたなるみたいな。

堀江 なるほど。すごいしっくりきますその説明。

<ポイント>
・再感染ではなく再燃を疑っている
・再燃とは風邪のぶり返しのように少なくなったウイルスが再度増え始めること
・ウイルス量が少なくなりPCR検査で偽陰性となるが、残った僅かなウイルスが再度増殖し症状が出始めるのではないか

ワクチン開発後のウイルスの変異について

堀江 あと今後の話なんですけど、今ワクチンや治療薬を作っていると思うんですけど、例えばインフルエンザであれば毎年のように変異するじゃないですか。インフルエンザワクチンを打つ時も「今年は四種混合ですよ」と言われて。今は状況が日々変化して断言するのは難しいかもしれないですが、感染力を見ている限りこうして全世界でパンデミックしてしまい今後は季節性インフルエンザのように割と定常的にというか、いつも誰かがかかってしまう病気になるような気がするんです。新型コロナウイルスのワクチンが開発されたとしても、おそらくそういう場合って変異すると思うんですよ。なので今年はこのコロナウイルスが流行りそうだから四種混合のワクチンを打とうみたいな感じになるんでしょうか?

峰 確かにコロナウイルスもインフルエンザウイルスもゲノム情報がRNAに書き込まれているんですね。人間のDNAとは違ってRNAというのはエラーが起こりやすいので変異はすごくしやすいです。

堀江 あぁ、そうか。二重らせんじゃなくて一重だからか。一重だからエラー訂正がされないんですね。DNAは二重らせんだから片方にエラーが生じたらもう片方のマッチングで補正されやすいね。なるほど。

 その通りです。なので非常に変異は多いです。そのRNAが問題になってくるんですけど、変異の多い部分で一番大事なのがウイルスの表面に突起が出てるんですね。その突起の部分がワクチンの標的になるわけです。つまりワクチンはその突起を攻撃することで細胞に入らないようにするわけなので、そこがどれくらい変異するのかというのが非常に重要になるわけです。

インフルエンザの場合はその突起が2種類あって片方がワクチンのターゲットなんですけど、そこはホットスポットといって変異しやすい部位として知られているんです。それがワクチンがターゲットにしやすい部分なのでヘッドと言って突起に頭があるんですね。そこに対するワクチンがインフルエンザでは用いられているんですけど、すごい勢いで変異するので実はワクチンが当たらないことが多いんです。なので今はストークと言って頭ではなく茎の部分に対するワクチンの開発が世界中で進んでいて、そのストークであればあまり変異はないだろうと言われています。

それに対してコロナウイルスの突起というのは、実は変異はインフルエンザよりはマシと言われています。SARSの場合に変異が少なかったことが分かっているので、ワクチンを一度開発するとインフルエンザよりは有効なる可能性はありますね。

堀江 なるほど。だから1回ワクチンを打つと割と免疫力が維持されやすいのかな?

 そうですね。効きやすいものが開発される可能性があります。

堀江 それは希望ですね。

<ポイント>
・ウイルスのゲノム情報はRNAに書き込まれており変異しやすい
・インフルエンザは非常に変異しやすく、現在比較的変異しにくい部分に対するワクチンの開発が進んでいる
・新型コロナウイルスはインフルエンザと比べるとマシとされている
・ワクチンが一度開発されるとインフルエンザよりも有効なワクチンとなる可能性がある