雑誌『週刊プレイボーイ』で連載中の、対談コラム「なんかヘンだよね」
ホリエモンとひろゆき氏が、ニッポンの“ヘン”を語り尽くします。
今週のテーマは、「ロケット打ち上げ」について。
祝・ロケット打ち上げ成功!堀江さんのこの先の狙いとは?
(イラスト:西アズナブル)
ひろ ロケットの打ち上げ成功、おめでとうございます!
ホリ ありがとう! 宇宙は遠かったけど、なんとか到達したよ。
ひろ 堀江さんは日本だと「元ライブドア社長」ってイメージがありましたけど、これで「民間ロケットを成功させた実業家」に肩書が変わったりするんじゃないですかね?
ホリ 最近は和牛にこだわる「和牛の人」になっていたりするけどね(笑)。
ひろ 確かに(笑)。ロケットって成功するまでは道楽に見られがちですけど、これからは「成功しましたが、何か?」って言えるじゃないですか。
ホリ やっとひとつ目のデスバレー(難関)を越えたからね。
ひろ これで本格的に衛星ビジネスがスタートできるのでは? 実績もできて、衛星を打ち上げてお金を取るモデルがスタートできる状態かと。世が世なら投資したいって人がめっちゃ現れるタイミングだと思いますけど。
ホリ うーん、人工衛星はもう少し先かな。でも、サブオービタル(準軌道=地上100㎞超えの弾道飛行)の需要はそれなりにあるので、まずはそこをビジネスにできそうな感じはある。
ひろ おぉ、そうなんすね。
ホリ 宇宙に到達できた民間企業は少ないので、目立つとも思う。あと、今回の成功で重要技術をかなり獲得できたのがうれしい。
ひろ お、どういう技術すか?
ホリ 小型ロケットの制御技術だね。小型ロケットって大型ロケットとは違うさまざまな新技術が必要なんだよ。
ひろ 小型だと風の影響とかめっちゃでかくなりますしね。
ホリ それもあるよね。あと、最大動圧点(maxQ=大気圏内で機体にかかる空気圧が最大になる地点)を越えられたこと。
ひろ ちなみに、衛星軌道まで打ち上げるのは、日本の法律的に問題ないんですか? 切り離しするんだったら、なんか許可が必要だったりするのでは?
ホリ 法律は宇宙活動法で規定されている。現状、「万が一地上に落ちて被害が発生したときの賠償保険に入ること」「それを超えた部分は国が補填すること」「機体のライセンス認定を取る」などがある。でも、無人機ならそこまで厳しくないよ。んで、うちがやっているようなサブオービタルは基本的に許認可が必要ないの。
ひろ ちなみに、ロケットの賠償保険ってあるんすか?
ホリ 普通に三井住友海上とかの保険に入っているよ。
ひろ その保険、ほかに契約者っているんすか? なんか、ものすごくマイナーな気が……。
ホリ 要は、リスクとリターンの話なので、どんなものでも保険はかけられる。だから、その保険にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)とか世界のロケットメーカーも入っている。
ひろ JAXAがあるから、そういう保険は日本でもあったんすね。
ホリ そそ。例えば、モデルが自分の脚に保険をかけたりしてるけど、あれも同じ考え方だよね。
ひろ 今回の成功で大企業とかも乗ってくるところありそうですけど、少数精鋭のままいくんすか?
ホリ 今回の打ち上げ成功で、業務提携している丸紅の新株予約権がヒットするだろうし、増資されるだろうね。
ひろ 商社がつくと、サブオービタルの微小重力を実験したいっていう海外のお客さんを探してくるとかできそうですね。アメリカの会社に頼みたくない中東の国の需要とかもありそうですし。
(この続きは、現在発売中の『週刊プレイボーイ』でお楽しみください)