出所から2年半の間に、28カ国58都市を訪れたホリエモン。急成長し続けるアジア諸国、停滞・成熟する欧米などを巡りながら、この日本という国で僕たちがどう生きればいいのか、ホリエモンは考えた。
新刊『僕はどこにでも行ける』発売に先駆け、少しだけ内容を先行公開!
日本はかつてない「安売り」の時代に入った

アジア各国は目覚ましい躍進を遂げている。一方、日本経済の落ち込みは激しい。長い不況の末、かつてアジア最強を誇ったジャパンマネーの〝円〞は、すっかりパワーを失った。
アジア全体の経済レベルでみると、格差はものすごい勢いで広がっていて(世界的な現象なので特に言及はしない)日本はまだ一応、最上位にはいる。しかし富裕層の経済力に限定した場合、中国・シンガポール・タイには、完全に抜かれている。
2015年の末、メディアアーティストの落合陽一さんはツイッターで次のようなコメントを書いた。
日本人のセルフイメージって2010年のGDPのままな気がする.中国に抜かれたって大きく報じられたから今でも僅差だと思ってる人多すぎる.
今日本のGDPはアメリカの約1/4 だし,中国の半分以下だし,一人あたりは世界27位の貧しさだ. pic.twitter.com/Q9bf9ICrZk— 落合陽一/「魔法の世紀」・「これセカ」 (@ochyai) December 17, 2015
これは歴然とした事実なのだ。落合さんの発言を受けて、思想家の東浩紀さんは、次のように反応している。
日本のGDPがいまやアメリカの4分の1中国の半分以下で、一人当たりGDPは世界27位というのは、90年代に20歳代だったぼくの世代にとってまさに屈辱的な数字だけど、より屈辱的なのは、にもかかわらず日本最高とか言い募る若者がいっこうに減らないことだ。。>公式RT
— 東浩紀 (@hazuma) December 19, 2015
失われた10年なるものももう25年にまで延びてきて、若い世代は「失われていなかった時代」そのものを思い出すことが難しくなっている。戦争の風化以前に、豊かさの風化を止めないと国にはマジで沈没する。日本最高とか言う前に、一回でも外国行ってみればいろいろわかるんだけどね。。
— 東浩紀 (@hazuma) December 19, 2015
東さんの今回の発言に関しては、僕も近い意見だ。
僕はほとんどテレビを見ないからくわしくは知らないのだけど、バラエティは「日本が一番」「外国人がほめるニッポン」みたいな番組が視聴率を取っているという。それ自体は別に悪いことではない。番組がおもしろいというなら、異論はないのだけれど。実際に「日本が一番」を取っている分野は、急激なスピードで減少している現実を、認識しておかないといけない。 経済的なパワーバランスで見た場合、日本はもうアジアNo.1ではないのだ。
周知の事実だとおもっていたが、多くの人は、どうもまだ過去に1位であった時の優越感が残っているようだ。経済力はとっくに中国に追い抜かれているし、その他の文化的なサービスのクオリティも、アジア諸国にだいぶ差を詰められている。
つい最近シンガポールで、西麻布のある有名な寿司屋のNo.2が独立してできた店がオープンした。2015年に訪れたが、普通に食事した程度で一人あたりの会計が800シンガポールドルだった。日本円で7万円前後だ。間違いなく、日本で食べるより高いどころか、倍以上だ。
中国の北京では日本で2000円を切るユニクロのフリースが、いまは5000円以上するという。小籠包10個が3000円近い。上海の高級料理店などの食事の会計は、おそらく日本人の観光気分で払える金額ではないだろう。
タイでも現地のちょっと小綺麗なマッサージ店でサービスを受ければ、1時間2500円ぐらい。タイでの以前の感覚なら、その半分以下の金額だったと思うが、いまは東京の1時間2980円のマッサージと大差がないのだ。
その価格帯で生活しているアジアの国の、さらに上の方の富裕層が日本に観光に来るのだから、爆買いも当然。
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日本はかつてない「安売り」の時代に入った
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