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【サッカー日本代表新監督】森保一×ホリエモンが語る、日本サッカーの未来(後編)

カテゴリー:
スポーツ・娯楽

7月26日の日本サッカー協会の理事会で、次期サッカー日本代表監督への就任が決まった森保一氏。

ホリエモンが2016年に出した著書『なぜ君たちは一流のサッカー人からビジネスを学ばないの?』から、特別に森保監督(※対談当時はサンフレッチェ広島監督)とホリエモンの対談をお届けします!

常に高みを目指す、挑戦者であり続ける

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堀江 サンフレッチェが地道に続けてきた地域貢献活動によって、子どもたちのサッカー人口だとか、育成面での成功みたいなところは、手応えとして感じているということですよね?

森保 そうですね。クラブと地域の指導者が協力関係を築きながら、広島の少年サッカーのレベルを上げてくれているところは大いにあるし、それを間違いなくトップチームに繋げてくれていると思います。僕もこれまでベガルタ仙台、京都サンガF.C.、アルビレックス新潟と、選手や指導者として仕事をさせてもらいましたが、客観的に見ても一番、地域とクラブがいい関係を築いているのもサンフレッチェだと思いますしね。

というのも、例えば、他の地域だと、地域トレセンでJリーグの関係者がコーチに入れずに、地域の指導者や学校の部活動の先生がやるみたいな決まりがあったり、その両者に溝があったりもするんですけど、広島はそこも一緒に、お互いが情報交換しながらやっていますからね。

堀江 なぜ、他の地域はできていないのですか。

森保  地域のクラブの人にしてみれば、Jクラブはあとから出てきたものですからね。Jリーグができるもっと前からサッカーに携わり、サッカーの発展に尽力してきた方もおられるわけで、そことの兼ね合いがなかなかうまくいかないのかな、と。

ただ僕としては、注目度としてはJクラブの方が上であったとしても、もっとどんどん地域のクラブや学校の部活動、少年団のところに入っていくべきなんじゃないかと感じています。もちろん、僕もそれぞれの地域のことを、何から何まで把握している訳ではないので、一概には言えないですが、せっかく同じ『サッカー』をしているんですから。お互いがいい関係を築いて、もっと繋がりを強くしていけばサッカーそのものの発展にも結びついていくはずなので。

堀江 そういった連携がとれれば、試合の日がかぶるようなことも減るかも知れないですしね。ユースと高校サッカーの壁もきっと、そういうことですよね。

森保  だと思います。僕にしてみれば、全部、同じ年代なんだから、一緒にやればいいと思いますし、最近は高円宮杯U−18サッカーリーグといって、Jのクラブ、地域のクラブチーム、高体連のチームの3つが一緒に出場できる大会ができましたけど、なんだかんだいって高校サッカー選手権がいちばん注目されていますからね。

堀江 それも実は簡単な話で、Jクラブのアカデミーチームに所属する選手って、学校の同級生とかがあまり応援に来ないじゃないですか? 自分の高校なら応援しやすいけど、Jクラブのアカデミーチームのファンになるってあまり現実的じゃない。めちゃめちゃサッカーが好きな子だったら別かもしれないですけどね。しかもJクラブのアカデミーでプレーする子たちって学校が終われば、さっさと帰っちゃう訳で、下手したら、その子がサッカーをしていることすら同級生に知られていない可能性もある。そう考えてもやっぱり学校の部活動の方が盛り上がりやすいし、共感しやすいんだと思います。

森保 そこは、メディア側のコントロールもあるんじゃないですか。

堀江  確かにそれもゼロではないんですが、でも、メディアのコントロール以上に、やっぱり同級生が応援に行くという単純なことがうまく広まれれば面白いんじゃないかと思うんです。つまり…僕は常に極端なことを言うのが仕事なので、そう思って聞いてくださればいいのですが、じゃあ、ユースの高校を作ってしまえばいいんじゃないか、と。例えばサンフレッチェ高校というのを作れば、必然的に同級生は応援にも熱が入る。今の時代、私立高校も少子化で経営難のところが多いから、乗ってくる高校は1つくらいあるんじゃないかと思うんですけどね。広島県内にサンフレッチェ高校を作って、そこにはユースの子が通っていて、高校選手権にも出るっていう(笑)。

森保 発想がすごいですね!

堀江  認められるかどうかは別として、僕はこれをやれたら、すごく面白いと思うんです。それに、サンフレッチェ高校に行きたがる人も多いと思いますよ。そうなれば、他府県の高校生も取りやすくなるかもしれないですしね。そこでは、サッカーの才能がある特待生は勉強なんかどうでもよくてサッカーだけやっている、と。

あるいは、サッカーは好きだけど正直、センスはないなと思っている人は最初から指導者を目指すコースを選択すればいいし、メディカルドクターやチアリーダーを目指すコースがあってもいい。スポーツチームの経営論みたいなのを学ぶコースでもいいですしね。要は総合的にプロスポーツビジネスに関わる人材を育てる高校があってもいいんじゃないのかな、と。むしろそのあたりは、これから求められるスキルだと思います。

森保 スペシャリストを育てる場所というのは、僕も賛成です。というのも、日本ってどうしても文武両道を求めるじゃないですか。もちろん教育は受けた方がいいと思いますし、受けなければいけないと思います。でも、プロスポーツで飯を食っていこうとか、成功しようという選手って、言わば、怪物なわけですよ。そういう子たちは無理に学校の勉強を押し付けるより、実は練習に力を入れた方がもっと伸びると思うんです。それは他のジャンルも同じで、秀でて得意なものがあるのなら、それをより伸ばすための場所があってもいい。

そうなれば、例えば選手にしても、もっと個性的でスペシャルな、怪物みたいな選手が日本のスポーツ界にも出てくるんじゃないかと思うんです。今のプロ野球でいうところの、中田翔(北海道日本ファイターズ)みたいな選手ですよね。あんなにも個性のある、スペシャルな怪物選手が…野球マンガの『あぶさん』に出てきそうな選手がサッカー界にも出てくるようになったら面白いですね。

堀江  今、サンフレッチェのアカデミーに所属する選手たちは、学校はどうしているんですか? ユースの選手が必ず通う高校とかあるんですか?

森保 そうですね。ユースチームに加入する選手は、毛利元就の里である安芸高田市の吉田高校という公立高校を受験してもらい、全寮制のユース寮で生活をしながら、吉田高校に通い、学校が終われば、すぐに練習ができるという環境を整えています。

大抵のクラブは、それぞれの選手がいろんな学校に通っていて、授業が終わってから集まってくるので、18時半から練習が始まって20時半に終わり、帰宅したら22〜23時になるような生活をしていると思うんですが、吉田高校は授業が終わって、16時半くらいには練習を始められますし、19時には練習が終わる。で、寮もすぐ近くなので、トレーニングしたあとにすぐに栄養を摂れるし休養もとれます。そういう意味では、『トレーニング、栄養、休養』というバランスのとれた、コンディショニング面でもいい環境が整えられていると思います。

堀江  でも、将来的なことを考えるなら、やはり高校を作るのがいいんじゃないですか?

森保 僕も堀江さんの話を聞いて、それが一番いいんじゃないかと思いました。すぐにできることではないかもしれないけど、発想としてはすごく面白い。この間、クラブワールドカップで来日していたリーベルもスタジアム内に学校や寮を作って、その近くで練習をさせていると聞きますし、そういうクラブが日本に出て来てもいいと思います。

堀江 でもこういうことを主張し続けていくためには、やっぱりチームも勝ち続けなければいけないじゃないですか? 正直、弱小チームでは物を言えないということも出てくるでしょうしね。その部分の秘策を少しお伺いしたいのですが。

というのも、先ほどの話じゃないですが、森保さんは与えられた戦力の中でよく結果を出されているなと思うんです。サッカーって、ものすごく微妙な戦術や戦力の差が結果を左右するじゃないですか。ゴルフに例えるなら、ボギーとパーの違いというのかな。パー4なら4でも、3・5でもパーじゃないですか? 要はバーディにならないパーもあるし、ボギーにならない4のパーもある、と。なんかそれにすごく似ていると思うんです。実力の差はすごくあるんだけど、結局、最後はちょっとしたことでバーディにもなるし、パーにもなるし、ボギーにもなるみたいな。しかもわずか1点、2点の差で決着が付くスポーツなわけですよね。

森保 だから、ジャイアントキリングが一番起こりやすい競技なんだと思います。

堀江 そうですよね。だからこそ、そこに何かしらの秘策があるのかな、なんて勝手に想像していたんですけど。だってサンフレッチェって予算的に言うと、ジャイアントキリングをする方のグループに入ってもおかしくないチームですよね。

森保 チャンピオンになった今でも、我々は常にジャイアントキリングを起こそうという気持ちで目の前の試合に臨んでいますけどね。順位としては上になっても、そのメンタルはずっと忘れていないというか…チャンピオンで、王者ではあるんですが、挑戦者であり続ける、と。実はこれが本当に難しいのですが、でも気持ちの部分では常にそういうことを求めています。

堀江  選手の皆さんもそれを共有しているということですか。

森保 そうだと思います。もちろんそれは、そうなるように僕から促していることでもありますけど。

・・・(続く)

対談全編ご覧になりたい方は、書籍『なぜ君たちは一流のサッカー人からビジネスを学ばないの?』ぜひご購入ください!

森保監督の他にも、ロシアW杯メンバーの川島永嗣選手や宇佐美貴史選手もホリエモンと対談しています。更には遠藤保仁選手、宮本恒靖さんも!要チェックです!

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