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広告費をドブに捨てないための広告企画方法とは

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企業から広告グッズデザインの依頼を受ける際、デザイン内容以前に媒体とグッズが噛み合っておらず「それをそこで配って本当に宣伝効果はありますか??」という、まるで無人島に向かって大声で叫ぶようなケースがたまにあります。そこで今回は「効果を最大限に発揮できる広告企画方法」について考えてみたいと思います。

ネットをみない情弱者が被害者なのにネットでPR?!

先日、政府広報オンラインのサイト上で、オレオレ詐欺防止キャンペーンの動画が公開され、カンニング竹山さん主演の、その心情に訴えかける内容が話題になりました。

ただ、オレオレ詐欺の被害者の大半は高齢者です(平成27年警視庁発表・東京都内のオレオレ詐欺を含む特殊詐欺被害件数は2311件で、そのうちの実に9割以上にあたる2117件の被害者が60代以上の人)。

その世代の人達は、動画サイトはおろか、インターネットですら日常的に触れているとは思えないいわゆる情報弱者なので、この手の動画をTVCMとして流すならまだしも、ネット上で流したところで、彼らを守る効果は何も得られないのではないかと、当初PRツールと媒体のミスマッチに疑問を抱きました。

しかし実際にこの動画をみてから、その考えが間違っていたことに気がつきました。

伝えたかったのは「詐欺に気をつけて!」ではなかった。

「オレオレ詐欺被害防止のためのPR」と聞くと、どうしても被害者になりうる高齢者に対して「詐欺に気をつけて!」とか、「手口はこんな方法だよ」という内容を伝えるものととらえがちです。

しかし今回のこの動画が1番伝えたかったメッセージはそれらのものではなく、被害者の子供世代に対して

「普段から親とこまめに連絡をとりましょう」(そうすることで、未然に詐欺を抑制することができます)

というものでした。

つまり、この動画からメッセージを受け取って具体的なアクションをとって欲しいターゲット層は、60代以上の子供世代=30代〜40代、だったのです。

この世代なら、インターネットはもちろんの事、動画サイトなども日常的に抵抗なく触れている世代なので、今回のこの動画を目にする機会はぐっと高くなります。

手段が「目的」になってないか振り返ってみる

この企画の出発点が「ネット上で流す」というところにあったのか、それとも30〜40代の人に対して「親とこまめに連絡を取りましょう」というテーマにあったのかは定かではありません。

ただいずれにしても「ネット上で流す」ということが決まった時点で、メッセージを届ける相手は「ネットをよく利用する人」に絞られるので、その層がどういう思考を持っているのか、流したい動画内容を詰める前に十分に見渡す必要があります。

それをせずに例えば「最近はネットで動画を流すことがはやっているみたいだからうちも使ってみよう」と、本来「手段」であるはずのものを「目的」にすえて企画を進めてしまうケースは結構あります。

しかしそうやって媒体に対して盲目的に進めてしまうと、結果何の反応も得られずという悲惨な事態に陥ってしまう可能性があります。

媒体×内容=効果

そうなると槍玉にあげられるのが広告の内容やデザインになりますが、冒頭でも述べた通り、どんなに優れたものを投げても投げる先に受け取る相手が存在しない限り反応は得られません。

今回の動画も、単に高齢者に注意喚起するだけのものだったら、効果は半減してしまったと思います。

ネットの動画サイト含め、最近はやっている媒体があると、それを使うだけで効果が得られると勘違いしてしまいがちですが、まずはその先に、自分たちがメッセージを届けたい相手が存在するのか、冷静に考えてみる必要があります。

ネットに触れない情弱者が狙われる犯罪を、ネットで抑制しようとする今回のこの動画の上手な軸のずらし方は、効果が出ないとお悩みの広告担当者の方には大いにヒントになることと思います。広告媒体選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。